わたしの休職体験記|あの日々がくれたもの

メンタル不調で休んだちさとの、回復までの道のりと心の整え方。

【休職体験記】【第8話】リワークに通って泣かずに過去を語れた日、私は社会に戻る準備ができていた


今回は復職へ向け、リワークに通いながら社会との繋がりをもう一歩取り戻していった話です。

 

「リワークって何?」から始まった私の挑戦

 

休職してしばらく経った頃、以前に休職を経験していた友人から「リワーク施設というものがあるよ」と教えてもらいました。

その子は本を使って自宅でリワーク的なことをしていたそうで、私も同じ本を買ってやってみました。でも、最初の数章で手が止まりました。

 

しばらくして復職について会社と連絡をとり始めた頃、「やっぱり一度、リワーク施設に通ってみたい」と思うように。自分で数カ所調べて問い合わせをし、通所の準備を始めました。

 

リワーク施設とは、休職中の人が復職や転職に向けて社会生活のリズムを整えたり、自分と向き合ったりする場所です。

平日9時〜16時半ごろまで、会社のような時間帯で通所します。

 

私が通ったのは医療機関と連携した施設で、主治医の診察やカウンセリングも受けられました。

プログラムはストレスマネジメントの授業、自習、軽い運動、少人数のディスカッションなど多岐にわたります。自分の課題について安心して話せる時間があり、社会との接点を少しずつ回復していくのに、ちょうどいいステップでした。

 

「リワークって何?」「種類の違いは?」という方は、別記事で詳しくまとめています。

kyushoku-taikenki.hatenablog.com

 

初日、緊張と不安を抱えて足を踏み出した

 

通所の前夜は「休職期間もあと少し。ここで学べることは全部身につけよう」と意気込んでいました。とはいえ、朝早く起きる生活は正直つらかったです。

 

でも「リワークに行けなきゃ、会社にも戻れない」と思い、やるだけやってみようと決意。

見学に行っていたこともあり、初日はそこまで怖くなかったのですが、少人数でのディスカッション後に発表があり、「面白いこと言えなかったらどうしよう」と緊張したのを覚えています。

 

でも実際には、私の話をきっかけに声をかけてくれる人がいて、「あ、優しい人が多いな」と思えてホッとしました。

 

少しずつ思い出す「本来の自分」

 

リワークに通いながら、少しずつ「自分ってこんな人だったかも」という感覚が戻ってきました。

 

ある日、以前上司のタスク管理を手伝っていた話をしたあと、「自分のタスク管理は苦手で…」と言ったら、誰かが「得意って言ってなかったっけ?」と笑いながらつっこんでくれたんです。

その一言でハッとしました。「たしかに、やってたじゃん、自分……」と。

 

毎月末の「リワーク報告会」では1ヶ月の振り返りをプレゼン形式で発表します。話を聞いた人が「心に残った」「私もこんなことあった」と返してくれたり、「これ役に立つよ」と情報をシェアしてくれたり。その温かさに、何度も泣きそうになりました。

 

人の言葉に救われた。変わっていった私

 

定期的なカウンセリングの中で、印象に残っている言葉があります。

 

「あなたは200キロのストレートしか投げられないピッチャーみたい」

一球で全部決めようとしすぎてる、もっと力を抜いて変化球も覚えよう、と言われたんです。

人との距離も、無意識に詰めすぎていたのかもしれません。話せるのが嬉しくて、沈黙していた時間を取り戻したかったんだと思います。

 

それ以来、人との関わり方にも少しずつ変化が出てきました。

 

「泣かずに語れた日」が教えてくれたこと

 

リワークに通ううちに、生活リズムが整い、早寝早起きが習慣になりました。

そして何より、「休職前のことを話しても泣かなくなった」ことが、自分の中で大きな変化でした。

 

辛かった出来事も、今の自分に役立っていると感じられるようになり、「私は知らなかっただけで、やればできる人間なんだ」と、自分を見直すきっかけにもなりました。

 

社会との接点は、一歩ずつ取り戻せばいい

 

リワークで過ごした日々の中で、私はたくさんの温かい言葉に救われました。

 

「そんなに頑張らなくていいんだよ」

「そのままでいいよ」

 

同じように休職した人たちと過ごす中で、「ひとりじゃない」と思えたのが本当に大きかったです。

 

リワークに通って一番よかったのは、

  • 辛かった過去を笑って話せるようになったこと。

  • 本来の自分を取り戻して、自信が戻ってきたこと。

 

社会との接点は、一足飛びでは戻ってきません。

でも、一歩ずつなら、ちゃんと戻れる。

私は今、そう信じられています。



(次回)

復職が不安で眠れない夜に、私が頼ったもの

kyushoku-taikenki.hatenablog.com