わたしの休職体験記|あの日々がくれたもの

メンタル不調で休んだちさとの、回復までの道のりと心の整え方。

【休職体験記】【第10話】「逃げずに、誠実に」──復職から1年。戻ってこれたと感じられるまでのこと

今回は、復職初日から今までの話です。

 

復職初日は、とても緊張していました。でも、リワークで積み上げてきた時間が「私ならきっと大丈夫」という気持ちを支えてくれました。面談で上司と先輩が優しく迎えてくれたことで、「ここにいていいんだ」と、ホッとできたのを覚えています。

 

庶務中心の業務に感じた「安心」と「不安」

 

仮配属の初期は庶務的な業務が中心で、無理のない内容ではありましたが、「社員としての本格的な仕事はまだなんだろうか」と、どこかで焦っている自分がいました。けれど同時に、「いずれ本格的な業務が回ってきたとき、私はちゃんとやれるんだろうか?」という不安もあり、心の中は複雑で、落ち着かない日々が続いていました。

 

業務の中で信頼を得て、自信を取り戻していく

 

しばらく心が晴れずに過ごしていた中、ある難易度の高い会議の議事録担当に抜擢されたことが、大きな転機となりました。責任ある場面に選んでもらえたことが素直にうれしくて、「ちゃんと見てくれている人がいるんだ」「ここで少しずつでも信頼を築いていけるかもしれない」と、自信と安心がじんわりと湧いてきたのを覚えています。

 

人とのつながりが、少しずつ温まっていく

 

誰かと仲良くなりたくて、特にお昼の時間に話しかけるチャンスをうかがっていましたが、最初のうちはなかなか誘ってもらえず、少し寂しい思いをしました。「自分のひと言が誰かを傷つけてしまうんじゃないか」「また疎まれてしまうんじゃないか」と怖くなることもありました。そんな時、人事部長が「誰もあなたに悪いようにしないから、大丈夫」と言ってくださり、本当に心が軽くなりました。

 

それでも、真面目にコツコツと仕事に向き合っていくうちに、自然と話しかけてくれる人が増えてきました。ときどき様子を見に来てくれる隣の部署の方、仕事ぶりを静かに見守ってくれていた先輩たち──少しずつ周囲との距離が縮まっていく感覚がありました。

 

「戻ってこれた」と感じられるようになるまで

 

本配属が決まり、業務の幅も少しずつ広がるようになる頃には、自然と雑談できるようにもなっていて、「あ、自分はもう“戻ってこれた”んだ」と思える瞬間が増えていました。あれほど不安定だった心が、少しずつ「大丈夫」を感じられるようになっていったのです。

 

穏やかに過ごすための工夫

 

現在も、頻度は少なめながら通院と服薬を続けています。頑張りすぎそうなときは「ちょっと詰め込みすぎかも?」と立ち止まり、自分のペースを守ることを意識しています。以前よりも、自分の調子や限界を素直に認められるようになったことが、小さなようで大きな変化です。

 

「ここでやっていくと決めた」──あの日の決意が今につながる

 

つらかった時期、私は何度も「ここでやっていくと決めたんだから、逃げずに、誠実にいよう。」と自分に言い聞かせていました。今、穏やかな日々を送れているのは、その時の自分が諦めずに立ち止まらずにいてくれたからです。

 

「あなたはよくやってるよ。今はまだ不安かもしれないけど、その調子で頑張ればきっといいことがある。大丈夫」──過去の自分に、今ならそう伝えられます。

 

そして今──落ち着いた心で日々を楽しんでいる

 

あれから再発することもなく、私は今、元気に働いています。週の半分以上は出社しており、対面でのやりとりも自然とこなせるようになりました。波はありますが、それも含めて「大丈夫」と思える。未来を怖がりすぎず、「今日」を大切に。これからも、自分のペースで、心地よく日々を重ねていきたいと思います。

 

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