わたしの休職体験記|あの日々がくれたもの

メンタル不調で休んだちさとの、回復までの道のりと心の整え方。

【休職体験記】【第9話】復職が不安で眠れない夜に、私が頼ったもの

今回は、復職前夜の戸惑いについて話します。
休職を始めて約1年。私は、復職という新しい一歩を目前にしていました。
リワークには通っていたし、少しずつ日中の生活リズムも整ってきていたけれど——
それでも「会社に戻る」となると、まったく別の怖さが襲ってきました。

 

 

  • どんな部署に行くんだろう?

  • 今度こそ仕事についていけるのかな?

  • タスク管理も、もう一度やってみたい気持ちはあるけど…本当にできるのかな?

  • 昔、先輩に泣かされていた記憶がふとよみがえって、また泣いちゃったらどうしよう。

 

 


 

夜の不安と、ヨガのポーズ「シャバーサナ」

 

そんな復職前夜。

寝返りばかり打っていた私は、ヨガで教わった「シャバーサナ」を思い出しました。

 

シャバーサナは、ヨガのレッスンの最後に行うリラックスのポーズです。

仰向けに横たわり、脚と脚の間を肩幅より少し広めに。

腕も、脇の下に卵1個分ほどのスペースを空けて広げていきます。

腰→お尻→太もも→ふくらはぎ→足→足の指というように、身体の部位に順々に軽く力を入れてから、ゆっくり抜いていきます。

その間も呼吸は止めずに、ただ“今ここ”の自分の感覚を感じていく。

 

身体が床にだんだん沈んでいくような、安心して地に足がつくような感覚。

目を閉じて行うこのポーズは、「5分間で1時間分の疲れが取れる」とも言われています。

 

身体の各部位の力をゆるやかに抜いていく。
「とりあえず明日、会社に行くだけでもえらいんだから」と心の中で自分に言い聞かせながら、
少しずつ、眠りに落ちていきました。

 


 

人事部長のひと言に、心がほどけた

 

復職前には、会社で人事部長との対面の面談もありました。

事務的な話が一通り終わったあと、柔らかい口調のまま、こんな言葉をかけてくれたのです。

「こちらは、〇〇さんを迎える準備ができています。焦らずに一歩ずつ戻ってきてくださいね」

あまりにびっくりして、「えっ!?」と声に出してしまったくらいです。驚いた顔もしてしまいました。


ずっと休職して、会社に迷惑をかけ続けてしまった私に、
まさかそんなふうに言ってもらえるなんて、夢にも思っていませんでした。


あわてて「嬉しいです」と答えながら、心の中がふっと温かくなるのを感じました。
その瞬間、「私も、ちゃんと準備しよう」と思えたのです。

 

 


 

✨あとがき

 

復職前夜は、たとえ寝られても、心はざわざわしていたりします。

でも、体の力をゆるめる方法、やさしい言葉をかけてくれる誰かがいること、

そういったものに支えられながら、私は「怖さ」と一緒に復職に向かうことができました。

 

(次回)

 

「逃げずに、誠実に」──復職から1年。戻ってこれたと感じられるまでのこと